Beranda / BL / 俺ともう一人の私、どちらが好き? / 第5話 第二人格の依頼(02)

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第5話 第二人格の依頼(02)

Penulis: 星琴千咲
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-03 10:11:20

でも、相手は二重人格だろうと三重人格だろうと、そもそも、基本な事実が捻じ曲げられた。

「いい加減にしろ!オレはお前の家に行ったのは、お前があのデタラメの小説を書いたから!」

「書いたのは私じゃない、悠治です。この件に関して、私は完全に被害者ですわ」

「何が完全に被害者だ……」

話が通じない相手だと分かって、大介は平和交渉を諦めた。

「とにかく、警察を……」

スマホで近所の交番に電話をかけようとしたら、いきなり、悠子の足が飛んできて、携帯が蹴り飛ばされた。

そして、悠子に後ろから両手を掴まれて、顔が下向きで机に押し倒された。

「言ったでしょ。私は悠治の保護者、警察を呼ぶくらいで、私をどうにかできると思いますか?」

そう言いながら、悠子は体勢を下げて、大介の手を自分の顔と首に押しつけた。

「!!」

それから大介を解放し、自分のスマホを出した。

「さあ、警察を呼びましょう。私今、理不尽なセクハラをされました」

「ひ、卑怯なっ!」

今度は大介が電話を阻止するために、悠子に飛びかかった。

でも悠子はワルツを踊るように、大介の動きを誘導し、体の接触を利用して、大介の手を自分の体のあちこちに触らせた。

最後に、大介の腰を捕まえて、自分の上に乗せている状態で二人を床に倒らせた。

そして、適時に横からスマホのカメラシャッターを押した。

「証拠写真もゲットですわ」

「一体、何がしたいんだ、この変態……!!!」

大介の体は怒りで震えている。

「写真を渡せ!」

大介は携帯を奪おうと、スマホもろとも悠子の手を掴んだ。

その時――

「お邪魔しま~す!」

玄関から、アシスタントたちの声が届いた。

「大介さん、差し入れを持ってき……」

「!!」

「!?」

「!?」

二人の若い男性と一人の若い女性が、目の前の景色に呆気にとられた。

静寂は数十秒も続いた。

「大介ったら、ドア閉めを忘れないでって何度も言ったでしょ」

悠子は嬌声とともに、色気っぽい微笑みを大介にかけた。

「!!」

「えっと、差し入れが、ちょっと足りないみたいね!」

最初に状況を理解した若い女性はクルッと身を翻した。

「そ、そうだな!私が買いに行こうか!」

「俺もちょっと買い忘れたものがある!」

三人は我が先に部屋から逃げ出した。

「……もう満足だろ……」

諦めたように、大介は身を引いて、ぺたりと床に座った。

「お望み通り、オレのほうもごちゃごちゃだ……」

「まあ、大体やり返したし、遊びはこの辺にしましょう。本題に入りますわ」

悠子は髪とワンピスを整えて、床から起きた。

「まだ何かやるつもり!?」

大介は自分神経がビシッと切った音を聞いた。

「ええ、どちらかというと、こっちがメイン目的ですよ――悠治を雇用してほしいの」

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